本当の体脂肪率
正確に体脂肪率を測る方法はただ一つ、死亡解剖のみです。体重を測って、死亡解剖して、細かく体中の脂肪を取り除き、重さを測って割合を出すと本当に正確な体脂肪率が出てきます。それでも取り切れない脂肪もあるだろうけど。
市販の体脂肪計 インピーダンス法
今ある体脂肪計は基本的にはインピーダンス法という、脂肪は電気を通しにくく、水分は通しやすいという性質を利用して体内に微弱電流を流してその通過時間の差で体脂肪率を『推測』しています。そしてこの『推測』だけではとても正確とは言えないので、インピーダンス法よりも精度が高いと言われている水中体重測定法という方法で被験者を集め、身長や体重、年齢などと合わせたデータを取り、このデータベースを基準値として、先のインピーダンス法を使って体脂肪率を『推定』しているに過ぎません。
このインピーダンス法では一般の人を使った実験では±6%の誤差、ボディビルダーを使った実験では±8%の誤差が出たという記録もあるそうです。
もう少し正確な水中測定法
また、水中体重測定法という方法は、体重を測り、次に出来るだけ空気が体や髪の毛、水着に残っていないようにして、肺から思い切り息を吐きだして水中に体を沈め、溢れた水の量を計り体の体積を計算し、さらに脂肪は浮きやすく、徐脂肪体重は重く、密度が高いという性質を利用して体の密度を計算して体脂肪率を『推定』する方法です。こちらも肺の残留空気や、消化器官に残る空気量の計算などで誤差が出てきます。この誤差は±で5%と言われています。
さらに正確なDXA
この水中体重測定法よりも精度が高いといわれているDXAという2種類のX線の吸収率を計算する方法でもやはりメーカーによって測定値に誤差が出たり、さらに詳細な、人をミネラル、水分、脂肪、タンパク質の4つに分けて計算する方法と比べると±5%の誤差が生じることがあるそうです。この人の体を4つに分けて計算する4コンパートメント方式は非常にコストが高いので一般には普及しておらず、臨床実験のみで用いられているそうですが、一番正確な死亡解剖とこの4コンパートメントモデルとの誤差についての誤差の記述は見つかりませんでしたが、確実に誤差は生じてくると思われます。
市販の体脂肪計は本当に使えるのか？
このように、±5%の誤差が生じ得る水中体重測定法のデータを『基準』として、±8%の誤差が生じ得るインピーダンス法を使った体脂肪計、使い道があると思います？日々の記録には使えるという方がおられるかもしれませんが、少し考えてみればわかると思いますが、例えば体重60㎏の人が、体脂肪計で20%で、体脂肪が12㎏と出た翌日、体脂肪率が15%の体脂肪が9㎏と出る可能性があるということです。一日で3㎏の脂肪を燃やすのに必要なカロリーは21000キロカロリー（脂肪1gは9キロカロリーですが20%の水分を含んでいるので脂肪1g燃やすのに7キロカロリー必要と計算しています）にも上ります。これに基礎代謝も入ってきます。
ちなみに体重60㎏の人がフルマラソンで消費できるカロリーは2400キロカロリーです。ツールドフランスの選手は一日平均8000キロカロリー(!!!)を30日間に渡って使っているそうですのでツールドフランスに出場できればこれは十分可能数値ではありますが、それでも30日間にもわたる長丁場を制して初めて達成される数字で、一日で3㎏も体脂肪を燃やせるはずがないんです。それどころか1%だって相当大変なことがわかります。体重60㎏で体脂肪1%だと600gの脂肪になりますが、これを燃やすのに必要なカロリーは4200キロカロリー。フルマラソン2回分です、基礎代謝入れたら。無理でしょう？1%の誤差だって致命的なんですよ、体脂肪率って。それが、6%も8%も、しかもプラスマイナスどちらに振れるかわからない誤差が出る可能性がある器具って単なるゴミでしかないと思いませんか？日々の記録にも全然使えませんよね・・・。ということで私は体重と、ウェストの計測、そして鏡で見た自分の体（これ結構大事ですよ）やおなか周りの肉をつまんでみたりして測っています。いわゆる『体脂肪率』という概念では自分の体は把握できないと思っていますので。皆さんはどう思われますか？
参考にさせていただいたサイト
アスリートボディ.jp 誤差だらけの体脂肪率 Part1 推定値のカラクリ
脂肪燃焼カロリー/フルマラソン消費カロリー/ツールドフランス消費カロリーの数値は
googleさんで検索しました。ありがとうございます。
ということでなかなか衝撃的なタイトルをつけましたがここまで読んでいただいてありがとうございます。あとは各々個人の判断に任せたいと思います。
ではまた
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