ブレーカーの種類と役割について

でんきのおはなし
昔のサーキットブレーカー

はじめに

よくブレーカーが落ちる、と言いますが、ブレーカーの種類によって何故ブレーカーが落ちるのか原因が違うんです。できるだけ難しくならないようにご説明したいと思います。基本的な3種類を取り上げて一つづつお話していきますね。ちなみにこの3種類ともあなたのお家のスイッチボード(配電盤)の中で活躍している装置です。ぜひお付き合いください。ちなみに今回の画像はシングルフェーズの装置を取り上げています。スリーフェーズはもっと幅が広いです。

ブレーカー(Circuit Breaker)とは

サーキットブレーカー10アンプ用 主にライトのサーキットで使います

一言にブレーカーと言ってますが、オーストラリアでは基本的には3種類あります。厳密に言うとブレーカーとはCircuit Breaker、サーキットブレーカーのことを言います。これはショートサーキットとオーバーロードからケーブルや電化製品を守るためについています。すごーく簡単に言うと、電化製品に電気が入る道と出ていく道がありますが、電化製品の中で、入ってきた電気が何らかの不具合でそのまま出て行ってしまって、何の電気抵抗もなくなってしまって無限大の電流が流れてしまう、という不具合です。ショート、デッドショートなどとも呼ばれますが非常に危険な状態なので、サーキットブレーカーが設定された電流を超えると自動的に電流を止めてくれます。また、オーバーロードというのは要は電流の使い過ぎで家電製品やコンセントやケーブルが熱くなりすぎるのを防ぐためにこれも設定された電流の量と流れる時間で自動的に電流を止めるように出来ています。電源を入れたとたんにブレーカーが落ちる場合はショートで、しばらく使ってから落ちる場合はオーバーロードの可能性が高いです。

RCD(Residual Current Device)漏電遮断器

RCD40アンプ用 3つまでサーキットブレーカーを繋げることができるので40アンプになってます

次にRCD、日本語では漏電遮断器、というそうです。これは電化製品の中で電気が漏れてしまって、電化製品内外の金属部分に電気が流れてしまう場合にあなたやあなたの家族、ペットなどを守ってくれる装置です。基本的には漏れてしまった電流はアース線を通してスイッチボードへ戻してくれるシステム。通常はアクティブからニュートラルへ流れる電流は同じ量流れています。これがアース線へ漏れてしまうと、アクティブから出て行った電流の量が、ニュートラルから戻ってくる際に漏れた分だけ減ってしまいます。この差を感知して電流を止めてくれるのがこのRCDという装置。先ほどのサーキットブレーカーはケーブルや電化製品を守る装置で、人やペットを守るものではありません。(ただしケーブルを守る、ということは火災を防いでくれるので、その意味においては人やペットも守ってくれていますが。)漏電から皆さんを守ってくれているのがこのRCDで非常に大切な装置です。現在ではほぼすべてのサーキットはこのRCDに繋がないといけないことになっているので、いくつものサーキットブレーカーをこのRCDにつなげているお家が沢山あります。RCDの一番の特徴はテストボタンがついているところ。半年に一度くらいはテストボタンを押してちゃんと機能するか確認することが推奨されています。テストボタンを押すとつながっているサーキットブレーカーに電気が行かなくなるのでいくつかのサーキットは電力を失います。テストボタンできちんと電源が落とせればその下のつまみを上に持ち上げて電源をいれてもらって構いません。ボタンが機能しない時はスパーキーを呼んで交換してもらってください。一つ100-200ドルくらいで交換してもらえるはずです。(コールアウトフィーは除く)

RCBO(Residual Current Circuit Breaker with Overcurrent Protection)

最後の3つ目がRCBOと呼ばれる装置で、これは上の2つを合わせた機能をもった装置です。ショートサーキットやオーバーロードと同時に、漏電からも守ってくれる優れものです。最近はこのRCBOが設置してあることが多いです。というのも、結局はほぼすべてのサーキットはRCD(漏電遮断器)にて守られる必要があるので、サーキットブレーカーを使っていても、さらにサーキットブレーカーからRCDに繋げないといけないので、RCBO1つで済むものをサーキットブレーカーとRCD2つ使わないといけなくなるのでその分お金もかかるし、スイッチボードも限られたスペースしかないので2つの機器で余計なスポットを使うよりも1つで済んだ方がいいですよね。ちなみにRCDは画像の通りRCBOやサーキットブレーカーよりも大きく、1つで2つのスポットを使ってしまうので余計にスイッチボードのスポットを減らしてしまい、入るサーキットの数が少なくなってしまいます。また、RCBOもRCDと同じくテストボタンがついています。オンオフのつまみの下の黒くなっているところ(見にくいですね画像だと)がテストボタンです。これも半年に一度は押してきちんと電源が切れるか確認するのがいいですね。皆さんを漏電から守る装置なのできちんと動作を確認することが大切だと思います。これもボタンがきちんと機能するのが確認できればつまみをオフからオンに持ち上げてあげれば完了です。

と、いうことで今回はスイッチボードの中にある安全装置の3種類をご説明しました。少しでも違いが判っていただけると、というか興味を持っていただけるとうれしいです。次回はこの3種類のどれかが落ちてしまって何度上げてもすぐに落ちてしまう際の対処法をお話しようと思っています。スパーキーもみんな忙しくてすぐ来てくれないし、呼べば呼んだで大した仕事もしないで高い金だけ請求する輩も沢山いますので、できるだけ呼びたくはないですよね。次回はブレーカーが落ちて上がらなくなってしまった時の対処法、どうしたらよいのかの手順をご説明できれば、と思っています。乞うご期待ください。そうそう、私はパース近郊なら川の北、南問わずに仕事していますので、もしお困りのことがあればお問い合わせからご連絡いただければこちらから改めてご連絡しますので、信頼できるスパーキーがいない方、日本語で説明してほしい方等いらっしゃいましたらお気軽にお問合せフォームからご連絡ください。本日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。ではまた。

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