オーストラリアで子供が全身麻酔で歯を4本抜いたらいくらかかるのか?請求額大公開 幼児歯科 正中過剰歯 手術費用 【2017年版】

耳寄りなおはなし
病院

■オーストラリアで子供が全身麻酔で歯を4本抜いたらいくらかかるのか?請求額大公開 幼児歯科 正中過剰歯 手術費用

異常発見
日本へ
オーストラリアで治療開始
手術当日
お会計/請求額

■異常発見

下の子供が4歳になってしばらくして歯が痛いと言い始めたので近所の幼児用の歯医者を予約して行ってみた。軽く診察して、虫歯があるのが確認できたので、深さを調べるためレントゲン撮影。すると、奥歯の虫歯よりも歯医者にクール!と言わせたのは前歯だった・・・。

子供がいる人は知っていると思うけど、乳歯と永久歯は最初から歯茎の中に入っている。もちろん柔らかかったり、形がまだきちんと揃っていなかったりはするんだけど、例えていうと、ローマのコロッセウムの外壁とか、ロンドンの2階建てバスみたいな感じ。で、ウチのコももちろん永久歯がすでに準備が進んでいて、歯茎の中でゆっくり成長して乳歯が抜ける時期を待っていたんです。でも、歯医者がレントゲンのちょうど上の前歯のところを指さしながら、これ、これ見える?っていうわけ。うーん、なんか白っぽいのが見えるねぇ、というと、これも歯だよって。ん?乳歯はもう生えてて、永久歯も歯茎の中で準備されてて、その間にもう一本歯が???これねぇ、たまーにいるんだけど、過剰歯だねぇって。この位置だと永久歯が生えてくるのを妨げる可能性があるから抜いた方がいいよ、と言われる。虫歯も2本あるから、虫歯治療と、乳歯と過剰歯抜歯をいっぺんに、全身麻酔でやった方がいいね、すぐ予約しましょう、ですって!!!

とりあえずは予約してもらい、この日は診察代を払って受付で手術の説明を受ける。ただ、請求書を見てびっくらこいて腰抜けそうだっぺよ。その額なななんと6000ドル!!!(約54万円)。ここオーストラリアでは歯科診療は基本的に国保適用外(子供の控除はありますが)なので、プライベートの保険会社に連絡してどのくらいカバーされるのかを聞いてみると、なんと適用外!!!ちーーーん、オワターーorz 特に大きな病気もしない健康家族なので、一番安いプランに入っていたのが災いして、カバー範囲が超狭い。全身麻酔は歯医者ではできないので、歯医者さんに出張してもらってきちんと麻酔医師のいる病院に行って手術するんですよ、こちらでは。ということでとりあえず手術の予約キャンセルしました。というのも日本帰国が3か月後に迫っていたので、日本でも歯医者で聞いてみようと思いまして。国をまたいだセカンドオピニオンってやつです。
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■日本へ

5週間の有給を取って日本へ。住民票を入れ、国保に加入して歯医者へ。オーストラリアでの治療計画のインボイスを持参。先生に説明して、ここでもやはり同じように診察して、レントゲンを撮って過剰歯を確認。歯科技術自体は日本よりオーストラリアの方が進んでるんですよ、実は。ただ、言葉の壁がないのと、あとはサービスの質が日本は高いんですが、その歯医者さんはすごくいい先生で色んなオプションを出してくれます。

基本的に私たち夫婦は出来る事なら全身麻酔は避けたいというのが本音でした。怖いですよね全身麻酔は。何があるかわからない、というイメージがあるので。起きなかったらどうしようっていう恐怖感は非常に大きい。滅多にそういうことは起きないにしても100%ではないわけでしょう。1時間くらいお話ししてくれまして、今すぐ抜かなくてもいいので様子を見ましょう、と。まだ乳歯が抜けるまで2年くらいあるし、永久歯もまだまだ干渉する位置には来ていない、と。

最良のシナリオだと、乳歯が抜けた時に過剰歯が押されて出ていて見えているかもしれない、そうすれば切ることなく抜くことが出来るかもしれない、とのこと。(基本的に過剰歯は神経が通っていないので根がなく、歯茎の中で浮いている状態)この日は長くなってしまったので違う日に通常の方法で虫歯の治療は終了。(オーストラリアだと歯を削るのも全身麻酔で、というのもかなり頻繁に行われています。子供は長い時間じっとしていられないし、体に負担も大きいので寝ているうちにやってしまおうという考え)それにしても日本の治療費は安い。この日は上のコの診察もしてもらって3000円くらいだったでしょうか?妻と子供たちは毎年日本には帰っているので、来年帰国した際にまた診察して、状況から判断しましょう、ということで日本での診察・治療はおしまい。
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■オーストラリアで治療開始

日本から帰って、まず最初にやったのが、プライベート保険の見直し。ワタシの家系はあごが小さいので歯並びが良くないんですよ。私も八重歯ですし。上のコもご多分に漏れず八重歯が出てきてしまっているので、矯正歯科に行く必要があり、そのためにも保険のカバー範囲を広げておかないといけない。保険の適用を受けるのに、症状によって待機時間というのがあって、矯正歯科は保険に加入、もしくはアップグレードしてから1年以上経たないと保険適用にならない、とかそういう規定があるんです。もちろん下のコの過剰歯の状態によってはこちらで治療しないといけなくなる可能性もあるので、早めに保険をアップグレードしてカバーさせておく必要がある。ということで保険をアップグレードしておきました。

次にしたのが、保険をアップグレードした後で、以前に行ったのとは違う歯医者で診察しておくこと。こうしておけば、万が一過剰歯が飛び出したりしてきた時に、保険をアップグレードした後で初診で歯医者に行ったことにしておかないと、アップグレードする前からの既往症と判断されずに済むんじゃないか、という悪知恵からw(後述しますがこの判断がのちの保険申請に非常に役に立つのです。)具体的には、2016年8月に保険をアップグレードして、同年10月に別の歯医者で診察をして、もう一度レントゲンを撮ってもらいました。

ただ、実はこの10月の時点で上前歯左の乳歯が少しずつ前にずれてきて、前歯の間から小さい歯が出てき始めてました。で、この新しいレントゲンを見た先生の話を聞いてまたビックリ!!!過剰歯がね、1本じゃなかったんですよ。なんと2本!!で、1本は前歯の間で見えているので、もう一本はもう少し深いところにある、と。ちょうど矯正歯科の先生がその歯科医院に来ていたので見てもらうと、早めに抜いたほうが良い、と。とにかく2本目の過剰歯の具体的な位置が普通のレントゲンだと正面からの高さしか見えないので、3Dのレントゲンで深さ、どの程度奥にあるのか、前後位置を確認しないと、全身麻酔で病院で抜かないといけないのか、それとも歯科医院で部分麻酔で抜歯出来るのかわからないというので専門機関で3Dのレントゲンを撮影しに行きました。

数週間後もう一度歯科医院に戻ると、それほど悪い位置ではないけどまだ経過を見てみないとわからないとのこと。さらに2本軽い虫歯が見つかり、その治療は部分麻酔で1本ずつやってみて、この歯科医院で抜歯できるくらいじっとしていられるか、麻酔注射ができるかの様子をみてみましょうということに。1か月ずつ空けて2回、部分麻酔で歯の治療をしたけど、ちゃんと座っていられたし、暴れたりもなかったんだけど、結局乳歯2本に過剰歯2本の合計4本を抜かないといけない、ということでかなり体にも負担がかかるし、まだ小さいから長い時間は我慢できないだろうということで、全身麻酔で4本抜くことになり、さらに専門の歯医者を紹介してもらってそちらで診察、手術の日取りを決めて予約。そしてついに2017年の6月某日に手術となりました。 
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■手術当日

病院には朝7時半に受付。前日の21時以降は一切の食事、水分補給も禁止。おなかすいたーとか、のどかわいたーとか言うかと思ってたけど、全然言わなかった。えらすぎるぜ、5歳児。しばらくテレビなんか見ながら、カーテンで仕切られたベッドに寝転んでiPadをしながら待つこと1時間。ようやくカテーテルを入れるから、と両腕に麻酔クリームを塗ってさらに待つこと1時間。色々と混みあっているらしくなかなか呼ばれず、さすがに子供も飽きてくる。まだー?と何度か看護婦に聞きに行ってようやく呼ばれて手術室の前室へ。そこで手術着に俺も着替えさせられて、もう一度説明を受ける。

30分ほどしてようやく呼ばれて手術室へ。色々とペタペタ体に電極みたいなの貼られて、針さしてるの見ないように何とか気を散らせながらカテーテル挿入完了。まずは酸素マスクみたいなのをして息をすーはーしてーって言われる。だんだん不安そうになってくる息子。かわいそうだ。酸素マスクから出てくる酸素はなんだかいい匂いがするらしい。ここで牛乳を薄めたような白い液体が入った大きな針なし注射みたいなのを麻酔医が取り出して、じゃあ行きますよー。お父さん、一瞬で寝ちゃうからね、びっくりしないでーと言われて、注射器をカテーテルに装着。ここで少しだけ暴れそうな気配を見せる息子。かなり不安そうだ。でもはいー、さーん、にーい、いー・・・・くらいでもう白目むいて目を閉じておやすみなさい、あらビックリするくらいホントに一瞬で寝た。あっけにとられる俺に、ほら、早かったでしょー、大丈夫よー、じゃああとでねーのキスしてあげてーって言われてキスして、はい、じゃあお父さんはもういいよー、外で待っててーと言われて、最初のベッドの部屋へ戻されて待つこと2時間以上。

ワタシの人生、こんな不安な2時間ってあったでしょうか。なんかあったのか、起きないのか、うまくいったのか、行かないのか、もう色んな事がぐるぐる回って、TV見ててもスマホいじっても全然気が紛れない。30分で終わるって言われてたのが2時間半以上待たされてようやく、目が覚めたからいいわよーと言われて手術室の隣の部屋へ。息子がもうろうとしながらベッドで起き上がろうとしてる。あーーーーーーーーーーーよかった。がんばったなー、えらかったなー、まだ血出てるなーと言いながら抱きしめる。だっちょ(抱っこ)、だっちょといってもうろうとしながらずっとしがみついてくる息子。看護婦さんが手術も全部うまく言ったわよ、予定通りよーと教えてくれる。手術が終わって、目が覚めるまで待たされてただけみたい。手術自体は予定通り30分ほどで終わったらしい。麻酔強いなやっぱり・・・。まだ傷口は縫った糸が見えててよだれに血が混じって痛々しいけど、キレイに全部抜けたそうだし良かった。抜いた歯は病院のポリシーでもらうことが出来なかったのが残念だったけど仕方ない。(病院ではなく、普通の歯科医院だったらもらえるはずです)

そこからベッドで1時間ちょっと待って、書類にサインしたり処方箋受け取ったりしてようやく退院。まだ息子は結構フラフラしてて、看護婦さんたちから頑張ったわねーエライわねー、もう帰るの?もうちょっと居てもいいのよーなんて言われながらも、お家帰りたい、お家帰りたい、というのでフラフラのまま連れ帰ってきました。途中で薬屋に寄って抗生物質と痛み止めを買って、しばらく硬いものが食べられないので(1週間ほどです)、ゼリーを大量に買い込んで帰りました。
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■お会計/請求額

と、いうことでこの2週間後に執刀してくれた歯科医師のところへ行って経過チェックと抜糸してもらって終了です。さて、お楽しみのお会計。いくらかかるんでしょうねぇ、怖いですねぇ。じゃあ内訳はこちら。ちなみにこれとは別に、虫歯を直すのに1500ドル(ここから3割戻ってきます)、診察が6回くらいで600ドル(ここから3割バック)、3Dのレントゲンで300ドル(すべて実費)かかりました。

正中過剰歯 抜歯(4本)手術請求書
執刀歯科医師分   1210ドル(ここから3割バック)
病院        1150ドル(ここから3割バック、の予定)
麻酔医        310ドル(すべて実費)
      手術合計 2670ドル

虫歯治療費
診察代     600ドル(ここから3割バック)
虫歯治療代   1500ドル(ここから3割バック)
3Dレントゲン  300ドル(すべて実費)
虫歯治療合計 2400ドル

ということで、手術自体の値段は2670ドル、でした。最初の幼児歯科の6000ドル(ちなみにこれすべて実費です)と比べるとだいぶ安くなりました。実費で3900ドルくらいですね、虫歯治療代もすべて入れて。まあ日本と比べるとやっぱり高いですね。(その後病院費用が全額カバーされたので、最終的には実費合計2700ドルになりました)

さて、この手術自体は2017年6月に実施されました。思い出していただきたいのが、ワタシが保険をアップグレードしたのが2016年8月でした。実は手術を受ける前に会計自体は済ませておくんですが、この際ワタシ宛のインボイスを作るのに、各医療機関はプライベート保険に連絡をして、保険会社とワタシに請求をするんですが、プライベート保険の方には、まだアップグレードして1年経ってないからすぐには支払えない、ワタシから直接保険会社に連絡するように、と言われて全額実費でワタシの方に請求が来てたんですよ。なのでまずは全額実費で払ってから、手術後に保険会社に請求を認めてもらう、という手続きが必要でした。何が引っかかっていたのかはもうわかってました。保険をアップグレードする前からこの症状があって、手術をする必要があったかどうか、要は既往症かどうか、という一点。

ここで例の工作が効いてくる訳でして。保険会社から送られてきたのは、執刀医への通院記録と初診の症状の証明書。プラス、執刀医を紹介した歯科医への通院記録と初診の症状の証明書。この書類にそれぞれ記入、サインしてもらって保険会社へ提出して、保険会社が既往症かどうか判断する。これは執刀医は全然問題ないですよ。でも歯科医の方はちょっと複雑な気持ちでしょう。だって私が以前からこの過剰歯については知っていて、日本でもチェックしてもらってたのを知っているんですから。でもこの書類にウソはないんです。だってこの歯科医の初診は2016年10月で、保険をアップグレードした8月以前ではない。でもこの歯科医もいい人で、ここに書いたことにウソはないし、私から余計なことを言うつもりもないから、と含みを持たせながらもサインをしてくれました。これで無事に保険がおりた、という訳です。ちょっとでも戻ってくる方がうれしいですからね、せっかく高い保険料を払っているわけですから。ということで、これからこういう手術をオーストラリアでされる方の少しでも参考、目安になるとうれしいです。
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